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ロバート・キヨサキ 金持ちがますます金持ちになる理由 
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2007年12月12日 (第2、第4水曜日更新)

第43回 投資信託という名の宝くじ

 何週間か前、公認会計士でビジネスオーナーのトム・ホイールライトと、なぜ人は宝くじを買うのかという話をした。宝くじと投資信託を比較した彼の話が興味深かったので、ここで紹介しようと思う。

 彼は投資アドバイザーではなく、自分は投資アドバイザーだと言ったこともないが、トムのクライアントはいつも彼に、引退の準備のためにどうすればいいかと相談しにくる。彼らの質問はこうだ。「確定拠出型年金401(k)の拠出金を、限度額いっぱいまで引き上げるべきでしょうか?」、「個人退職年金(IRA)口座を開設するべきでしょうか? それとも利益分配型の商品や年金プランにもっとお金を入れるべきでしょうか?」

 トムによれば、世間で思われているのとは逆に、これらはいずれも賢明な投資ではない。このテーマについての彼の考えを、これから彼自身の言葉でお伝えしよう。


確率のゲーム

ロバート・キヨサキ 401(k)やIRAにはさまざまな問題があるが、そのひとつは、投資家が自分でほとんどコントロールできない投資にお金を注ぎ込むことだ。これらの年金に加入した人のほとんどは投資信託を第一の投資手段にすることになるが、宝くじを買ったほうがまだ勝率は高い。

 誰かが自分の退職用の資金を勝つ見込みがほとんどない政府主催の確率ゲームに注ぎ込むと聞けば、正気の沙汰ではないと思うだろう。だが何百万もの人が、そのわずかな可能性にかけて宝くじを買っている。注ぎ込んだお金を失ってしまう可能性がこれほど高いのに宝くじを買うとは、分別のある人がすることだろうか?

 だが投資信託についても同じことが言えないだろうか。考えてみれば、これも勝つ可能性がほとんどない政府主催の制度なのだ。だから、401(k)またはIRAを通じて投資信託に投資した利益で引退資金を確保できる可能性もあまり高くはない。


税金のジレンマ

 ある時、ラジオを聴いていたら、インタビューアーが、大手投資信託の代表者に、ファンドの実績について聞いていた。その代表者は、ここ2年間はファンドの価値が年平均20%の上昇していると答えた。

 だが、ファンドの平均的な投資者の平均的なリターンについてインタビューアーが聞くと、平均的な投資家は年2%の損をしていると代表者は答えた。これはなぜだろうか? 市場の動きは予測できないからだ。これに対して宝くじは、勝率も、賞金の額も、あらかじめわかっている。

 次に、401(k)やIRAに拠出した場合に受けられる税制上の優遇策について考えてみよう。まだ若くて税率区分が比較的低い時に税控除を受け、年を取って引退し、おそらくは税率区分が高くなっている時に引き出したお金に課税されることが、得だと言えるだろうか?

 さらに、401(k)やIRAに加入していない場合にキャピタルゲインや配当にかかる税率と、401(k)またはIRAから引き出した時の利益に課せられる所得税率の違いについても考えてみよう。


ギャンブルはギャンブルでしかない

 それなら、401(k)やIRAと無関係に投資信託に投資すべきなのだろうか? この質問の答えもノーだ。投資信託は、ファンド・マネージャーが取引をした時、投資家はその利益を見ることがないにもかかわらず、キャピタルゲイン税を課せられる。たとえファンドの価値が下がっても、税金を払わなければならない。

 もうひとつ考えるべきことがある。税金で払ったお金を他の投資に入れることができなかったために失われた投資の機会、すなわち機会損失についてはどうだろう? 少なくとも宝くじなら、勝った場合にどれくらい税金を払うかがわかるし、勝たなければ税金を払う必要はない。

 次のように反論する人がいるかもしれない。「でも宝くじはギャンブルじゃないか! 勝つか負けるかをコントロールすることもできない!」確かに宝くじはギャンブルだ。だが投資信託も同じことだ。あなたもファンド・マネージャーも、株式市場をコントロールできない。市場が下落すれば、ファンドも同じ運命をたどる。


大当たりはない

 宝くじを買う時は、少なくとも自分がギャンブルをしていることを認識している。それに、政府や金融機関や雇用主に、宝くじが良い投資だと言われることもない。また、401(k)のように雇用主があなたと同じ額を宝くじに支払うこともない。

 それでも、投資信託のほうが宝くじより利益が得られる確率は高いだろうと思う人もいるかもしれない。だが必ずしもそうではない。投資したお金をすべて失う確率は投資信託のほうが宝くじより低いかもしれないが、投資信託には宝くじのような大当たりはない。

 実際、投資信託という商品は、「バランスのとれたポートフォリオ」を作ることによってリターンを最小限に抑える仕組みになっている。市場自体のリスクを最小限に抑えることができるなら、それでもいいのかもしれない。だが問題は、リスクを最小限に抑えるためには高度なヘッジ戦略が必要であって、そのような戦略は一般の投資信託では用いられていないことだ。

 少なくとも宝くじなら、大金を勝ち取る可能性があるし、自分が寝ている間に東京で何かが起こったために、明日の朝には勝率が下がっているのではないかと心配して眠れなくなることもない。


引退を実現するために

 宝くじに払うお金の大部分が政府による計画の運営に使われることが気に入らないという人は、投資信託の利益の大部分が投資アドバイザーやファンド・マネージャーの退職資金に使われることを知っておくべきだ。

 すべてのリスクを負うのも、資本を提供するのもあなただが、ほとんどの利益はファンド・マネージャーや投資アドバイザーのポケットに入る。宝くじの収益は、学校や芸術など有意義な目的のために使われる。となると、どちらがいいだろうか?

 もちろん、引退のための資金を確保する目的で宝くじを買おうなどと私がクライアントに勧めることはないが、そのために投資信託に投資いなさいと勧めることもない。私なら、宝くじを勝ったほうがずっと楽しいと思う。少なくともギャンブルだということが最初からわかっているのだから。

 本当に引退を実現したいなら、他の投資を探し、あなたが金持ちになって引退できるように、時間をかけてサポートしてくれる人を見つけたほうがいい。経済的自由を手に入れられるのは、そのために学び、努力する人々だ。投資信託のようなリスクの多い投資戦略に頼ろうとする人が、それを手に入れられる可能性はとても少ない。

ロバート・キヨサキについてさらに知りたい方はこちらをご覧ください(外部サイト)
ロバート・キヨサキの本コラム‘Why the Rich Get Richer(金持ちがますます金持ちになる理由)’は米国Yahoo! Financeに掲載するために執筆されたものです(2007年4月30日掲載)。


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