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ロバート・キヨサキ 金持ちがますます金持ちになる理由 
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2008年6月11日 (第2、第4水曜日更新)

第55回 より良い情報筋に投資する

 数日前のことだが、ある記者に、あなたも不動産で損をしているのではないのかと聞かれた。私は、「いや、儲かっていますよ」と答えた。

 わけがわからなくなった記者はこう聞いた。「サブプライム問題という大打撃を受けているのに、どうやって儲けられるのですか」私は、不動産市場が下げているので、マイホームを買うより家を借りる人が増えていて、それは私の賃貸マンションビジネスにとってとても良い状況なのだと説明した。また、手ごろな賃貸マンションの需要が非常に高くなっているので、家賃を値上げしていることも話した。部屋を借りていた人が出て行くと家賃を値上げするのだが、それでも新しい借り手の行列ができていて、私のキャッシュフローは増え続けている。

 今度は記者がこう聞いた。「新しい投資先を探してはいないのですか?」

 「2007年の8月から株式にかなり投資していますよ。株式市場に数百万ドルを移しています」と私が答えると、彼の顔に驚きの表情が表れた。

 「株式市場ですって?」記者は口ごもりながら聞き返した。「株は暴落しています。なぜ株式市場に投資しているんですか? それに、あなたは不動産投資家だったのではないのですか?」


知らぬが仏……ではない

ロバート・キヨサキ ウォーレン・バフェットが言っているように、社会にとって、正確な情報を提供する情報筋があることは重要だ。その通りだと私も思うが、新聞雑誌やテレビ、ラジオ、ネットなどの電子メディアに出ている金融ジャーナリストの多くは、本当は無知なのではないかと疑いたくなることがある。

 たとえば、最近のテレビの経済ニュースでは、レポーターたちが金の高騰を報じていて、「いまこそ金や金関連の株式に投資すべきときでしょうか」などと聞いている。これほど馬鹿げた質問はない。いまは金や金関連の株式に投資すべきときではない……それは、金が1オンス300ドル未満だった10年前のことだ。金がまだ安かったときに相当な量を保有しておくべきだったのだ。いまごろ金の話をしているレポーターは、不動産バブルがはじける直前の2005年に、不動産市場が熱いと報じていた連中となんら変わりはない。

 先日、友人の友人と夕食をともにしたとき、彼が、ロスチャイルドの投資の方程式について話してくれた。その友人によれば、それは、投資対象の価格が急騰するときは、最初の20%と最後の20%には参入しないということだそうだ。リスクが低く、価格の方向性がはっきりしている時期、つまり途中の60%に投資する。資産価値が最後の20%と思われる時期に近づいたときに売却し、別の資産に乗り換えるというわけだ。

 誰もが知っていることだが、アマチュア投資家のほとんど(そしておそらく多くのレポーター)は、最後の20%の時期だけに投資に参加する。


注意していよう

 なぜ株式に何百万ドルも投資しているのかと私に聞いた記者が、自分でも投資をしたことがあるのかどうかはあやしかった。私は、プロの投資家が投資する目的には、キャピタルゲインとキャッシュフローの2つがあると、できるだけ丁寧に説明した。

 「価格が高騰して最後の20%の時期に参入してくるアマチュアは、たいていキャピタルゲインだけを狙っています。前回の不動産ブームのときは、まともな審査無し、頭金無しで融資を受けた『フリッパー(転売目的の投資家)』たちは痛い目に遭いましたが、彼らは、自分よりももっと愚かな者が現れて物件を引き取ってくれるように祈っていました」

 「そういう人たちの中には、いま物件を抵当流れ処分にしなければならなくなっている人もいます。彼らは、ニュースにはなりましたが、金持ちにはなっていません」

 記者は私にこう聞いた。「あなたは何を求めて投資しているのですか」

 「両方です。できることなら、キャピタルゲインとキャッシュフローの両方を得たいと思っています」

 さらに私は、高い配当、つまりキャッシュフローがついていて、市場の暴落で価格が二束三文になってキャピタルゲインが失われたような株式に何百万ドルも投資しているのだと説明した。


詳しく説明しよう

 優秀とはいいがたいその記者は、キャッシュフローとキャピタルゲインの両方を得ようとして投資するという考え方がわからないようだった。1時間あまり説明を聞いて、彼はようやく、私が不動産にだけ投資しているわけではないことを理解し始めた。私は、資産の種類にかかわらず、キャピタルゲインやキャッシュフローが得られる投資をすばらしい価格で手に入れる。まともな取引さえしていれば、対象が不動産だろうと、商品、ビジネス、ペーパーアセットだろうと関係ない。

 すばらしい価格で得られたキャピタルゲインの例を1つ挙げよう。1990年代のことだったが、現金があまると、私は必ず金か銀を買っていた。金や銀からキャッシュフローは得ていなかったが、貴金属をすばらしい価格で買っていること、いつかまた価格が上昇することを確信していた。

 キャッシュフローをすばらしい価格で得る例は、配当がついた株式を買うというものだ。株式市場が下落するまで待って買う。いまそういうことをやっている。私が買っている比較的良い銘柄の1つに、米国産の穀物をインドに運んでいるばら積み貨物の輸送会社の株式がある。ドルの価値が下がれば下がるほど、米国の穀物の輸出量は増える。市場が下げるたびに、私はすばらしい価格で買い進めている。この株式の配当金というキャッシュフローが大好きだからだ。

 そして最後に、キャピタルゲインとキャッシュフローの両方をすばらしい価格で手に入れられるのは、たとえば、マンションをまるごと一棟お買い得な価格で買うことができ、さらに賃料を上げられたときだ。そうすれば、キャッシュフローが増え、物件の価値も上がり、それがキャピタルゲインに反映される。


プロにまかせろ

 私は、アメフトの試合を観るときはジョン・マッデンの解説を聞くのが大好きなのだが、それは彼が、自分が何をしゃべっているかをわかっているからだ。彼は現役のプレーヤーだったこともあるし、コーチを務めたこともある。このゲームを知っている。同じ意味で、私が尊敬している金融レポーターは、ブルームバーグテレビのキャサリン・ヘイズだ。彼女は、自分の言っていることがわかっている情報通のレポーターだ。他の金融レポーターはあやしいものだが……。

 新聞雑誌やネット、ラジオ、テレビで流れる経済ニュースのほとんどには、そのニュースを発信しているジャーナリストが、投資家ではないかもしれないという問題がある。大半のジャーナリストがサブプライムの惨禍や景気後退、不安定な株式市場について愚痴ったり弱音を吐いたりしているのを聞いていると、彼らは本物の投資家ではないのだと断ぜざるを得ない。市場のトレンドに従い、自分が投資している資産のファンダメンタルズをよく知っているプロの投資家は、そのような出来事には一切影響を受けない。

 だから、レポーターが「いまは株式、債券、不動産、金、銀、石油のどれに投資すべきときなんでしょうか」と問いかけるのを聞いたら、おそらく今はそれ以外のものを検討すべきときなのだろうということを覚えておくとよい。そしてロスチャイルドの方程式を頭に入れておくことだ。早すぎてもいけない、遅すぎてもいけないということを……。


ロバート・キヨサキについてさらに知りたい方はこちらをご覧ください(外部サイト)
ロバート・キヨサキの本コラム‘Why the Rich Get Richer(金持ちがますます金持ちになる理由)’は米国Yahoo! Financeに掲載するために執筆されたものです(2008年1月17日)。
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